令和7年5月号 大竹悠介さん(西埼玉暮らしの編集社共同代表)

更新日:2025年4月26日

プロフィール

大竹おおたけ 悠介ゆうすけさん

(市内在住)

 大学では登山サークルに所属。登山初心者なのに北アルプス裏銀座コースの縦走に挑戦したのはいい思い出。今も飯能や秩父の低山へ行くことがリフレッシュ。山に咲く花を見たり、コーヒーを淹れて飲んだりして楽しんでいる。

誰かの思いを形にする喜びが原動力

 「5歳離れた兄のあとを追って、雑木林で秘密基地やターザンごっこで遊んでいました」と香り高いコーヒーを淹れながら、語ってくださったのは埼玉県西部地域の編集デザイン会社「西埼玉暮らしの編集社」共同代表の大竹おおたけ悠介ゆうすけさん。
 北秋津小学校、南陵中学校を卒業。クラスのリーダー的存在で、小学校で児童会長、中学校でも生徒会長を務めた。 
 高校は、県立川越高校へ進学。日々の生活に大きな不満はなかったが、情熱を注げるものを求めていた。自分が何をしたいかどう探せばいいか見当がつかず、苦しかった。理解者と出会いがないままに内にこもったような時間を過ごしていた。その経験が、多世代が交流する場づくりという現在の活動の背景にある。
 高校では世界史の授業が好きで、政治や文化にも関心があったため、早稲田大学文化構想学部に進学する。現代史や国際関係への興味から、ジャーナリズムのゼミに入り、ドキュメンタリーを見ながら社会問題のディスカッションをしたり、中国人学生と一緒に歴史を学ぶ取り組みを自主的に企画したりした。 
 大学3年生のときに東日本大震災が発生し、ジャーナリズムを学ぶ学生として被災地へ行った。しかし、あまりにも無力であると感じ、自分にとってのジャーナリズムをもう一度考えたいと大学院に進学する。  
 大学院ではジャーナリズムのゼミに加えて、まちづくりのゼミで学んだ。そのなかでフィールドワークとして墨田区にある商店街のプロモーションビデオ制作に携わることになり、チームのまとめ役としてキャスティング、脚本、演出などを担当し、商店主・地域住民・学生の3者で生き生きとした時間を共有できたことが大きな自信になった。そして、ジャーナリズムとコミュニティデザインの融合を考えるようになった。
 2015年修士課程修了後、広告代理店に就職。しかし、利益追及を優先する仕事のあり方に疑問を感じ、退社。その後、国際短編映画祭「SSFF&ASIA」の広報や、教育系スタートアップ「さとのば大学」の立ち上げに参画。NPO法人シブヤ大学で自治体の地域づくりのプロジェクトにも関わった。
 30歳を目前にして、誰かのフォロワーではなく、自らが旗を振るプレーヤーであろうと決意。地域の編集プロジェクト「西埼玉暮らしの学校」を2018年にスタートさせる。2020年には「サタデーブックス」もオープン。
 「所沢には面白い大人がたくさんいる。飽和状態のミョウバン水溶液に小さな結晶を入れると大きな結晶ができる。自分はその小さな結晶のような役割でありたい」と話す。
 新しい出会いによって、何気ない日常の中で特別な時間が生まれる瞬間に立ち会えることが喜び。高校生のときの自分も喜んでいるだろう。楽しくて、自由で、豊かなまちを目指す大竹さんの活動に今後も注目したい。
(取材:上地)

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